鹿の積ん読

漫画を読んだり、小説を読んだり。好きなものの話をします

2019-01-01から1年間の記事一覧

平成ミステリベスト・ひとりで延長戦

平成が終わりますね。何が変わるとも思えませんが、しかしひとつの節目となるのも確か。色々あったらしい平成の三十一年をここらで振り返るのも良いでしょう。てなわけでツイッター上で行われました「平成ミステリベストアンケート」に投票しました。お祭り…

あるいは気まずさの効用について(青崎有吾「早朝始発の殺風景」)

会話劇が好きです。さらに、シチュエーションがシンプルであればあるほどいい。というわけで「早朝始発の殺風景」を読んだ感想です。全編ワンシチュエーションかつ登場人物は最低限というストイックさ。楽しかったー。 早朝始発の殺風景 (単行本) 作者: 青崎…

スキップ、ローファー鳴らして(高松美咲「スキップとローファー」)

「カナリアたちの舟」の高松美咲先生によるほのぼのスクールライフコメディ「スキップとローファー」の感想です。素晴らしかった。 スキップとローファー(1) (アフタヌーンコミックス) 作者: 高松美咲 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/01/23 メディ…

終わってないけど、終わる世界の片隅で(赤坂アカ「インスタントバレット」)

祝・「かぐや様は告らせたい」アニメ化! ib ?インスタントバレット?(1) 世界の終わりとボーイ・ミーツ・ガール (電撃コミックスNEXT) 作者: 赤坂アカ 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス 発売日: 2014/04/24 メディア: Kindle版 この…

高校生の季節(米澤穂信「本と鍵の季節」)

米澤先生の新刊は二年ぶりらしいですが本当ですか? なんかもっと出てた気がする。いまさら翼といわれてもとか一年くらい前じゃない? はいそれはさておき、今回は米澤先生の「本と鍵の季節」の感想です。二年ぶりらしいです。 本と鍵の季節 (単行本) 作者: …

回帰、拡張、絶望の底はまだ遠く(オキシタケヒコ「筺底のエルピス6-四百億の昼と夜ー」)

筺底のエルピス6巻の感想になります。今回もやばかったですね。みんなやべえやべえ言ってて何事かと思いながら読んだら本当にやばかった。 筺底のエルピス 6 -四百億の昼と夜- (ガガガ文庫 お 5-6) 作者: オキシタケヒコ,toi8 出版社/メーカー: 小学館 発売…

真っ赤な嘘と青い春(石川博品「耳刈ネルリ三部作」)

石川博品先生の「耳刈ネルリ三部作」の感想になります。一巻二巻のお祭り騒ぎももちろん素晴らしかったのですが、三巻から感じた「まつりのあと」の物寂しさが特に素晴らしかったです。 耳刈ネルリと十一人の一年十一組 (ファミ通文庫) 作者: 石川博品 出版…

唐突に漫画ATB:群像劇編

突然ですが自分的にオールタイムベストとでもいうべきおすすめ漫画をいくつか紹介したいと思います。他に「短編編」「ギャグ編」「青春編」「特別編」など考えていますが今回は群像劇編です。次回があるかはわかりません。 1.「Landreaall」おがきちか(連載…

逃避行、片道五分(志村貴子「娘の家出」)

恥ずかしながら志村貴子先生の作品を読んだのは初めてでして。「娘の家出」、とっても良かったです。部屋の隅で埃をかぶっている青い花と敷居の住人を早く読まなければ…… 娘の家出 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) 作者: 志村貴子 出版社/メーカー: 集…

日々は過ぎ去り変わってゆく(しめさば「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。3)

ひげ三巻の感想です。今回は三島が……三島が……。 ひげを剃る。そして女子高生を拾う。3 (角川スニーカー文庫) 作者: しめさば,ぶーた 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2019/01/01 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 2人でいることがすっかり当た…