鹿の積ん読

漫画を読んだり、小説を読んだり。好きなものの話をします

2023年5月まとめ

 

ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」が出たぞ!

 ということで今月後半はほぼハイラルにいました。もう相当やったと思うんですがまだ救えていません。ひたすら防具を求めて洞窟や地下に潜ってるせいかと思いますが、楽しいので仕方ないですね。

 

 

爆弾(呉勝浩)

 今月のミステリ枠。最近すっかりひと月一冊ペースですが、これくらいじっくり読むのも性に合ってる気がしています。

 題材は無差別爆弾テロ。犯人と刑事の密室劇を軸に、爆発のたびに変化する状況が楽しく一気に読めました。クリフハンガーがめちゃくちゃ上手いと感じましたが、これ元々連載だったんですかね? ドラマ映えしそうだししっかり各ランキングに入賞してるし、そのうち実写化しないかな~と期待しちゃいますね。映画よりドラマが合いそう。

 

東島丹三郎は仮面ライダーになりたい 〜12巻(柴田ヨクサル

 ヨクサル作品らしく、どこかふざけた雰囲気から不意に飛び出す鋭く重いセリフが良い。「俺のは『仮面ライダーごっこ』じゃないから……本気……だから……」というセリフが象徴するように、随所から滲みだす本気の情動が空恐ろしくもあります。未だに敵勢力の全容がよくわからず、気を抜くとあっという間にどこかへカッ飛んでいきそうなハラハラ感も。どこへ、どこまで行くのか楽しみです。毎度お馴染み八極の男も登場していますが、将棋指したり怪人と戦ったり忙しいですねこの人。皆口さんも巻き込まれるのかな……。

 

劇光仮面 〜3巻(山口貴由

 せっかくなので同じ題材でやってるこっちも、と軽い気持ちで読んだら本気すぎて怖くなりました。マジで怖い。「仮装ではなく実装する」という思想のもと、ヒーローを顕現させる劇しい光。主人公・実相寺二矢の言動すべてに悪ふざけが一切混じらないのが凄まじいんですよね。現実濃度がそのままに虚構がそこに組み込まれる歪み。明らかに容量オーバーで二巻以降不穏な要素が垣間見えているのにも関わらず、一切破綻しないリアルの強度を支える狂気ともいえる哲学が鈍く、重い。このリアリティラインで深道ランキングやっていいんだ……。東島丹三郎とは同じコインの裏表のようだと思っていましたが、同じ面を角度を変えて描いているだけのようにも見えます。二つ合わせて追いかけていきたい作品になりました。

 

 今月はここまで。ティアキンは六月中にひと段落させておきたいですね。「LOOP8」も出たしレインコードも出るし、ゲームが忙しくて嬉しい悲鳴という奴が漏れますね。

 

 

 

2023年4月まとめ

 

 最近めっきり暖かくなってきましたね。ここのところ冬から即夏みたいなことが多かったですが、今年は過ごしやすい気候の日が多い気がします。代わりに花粉で死にましたが。

 

 

逢沢小春は死に急ぐ 1巻 (胡原おみ)

 安楽死制度が採用された日本で三年後に死ぬことを選択しているヒロイン、という重めの設定ですが、当のヒロイン・逢沢小春が底抜けに明るいので読み心地は悪くありません。明るいからこそ陰が際立つという面ももちろんありますが。

 基本的に多人数でわちゃわちゃしてる話が好きなので島ツアー回も勉強会回もとても好みですね。それぞれがそれぞれなりの青春を過ごしているのがいい。最近の作品は序盤からガンガン話を進める作品が多く、『死に急ぐ』とタイトルにある通り本作も爆速でお付き合いを始めたアグロラブコメですが、願わくば長く続いてほしいものです。

 

サマータイムレンダ ~13巻 (田中靖規)

 ジャンプラ初期作ですがずっと未読で今回が初読です。サスペンス系は一気読みがいいですねやっぱり。

 影やループの条件入力が終わってからはごく限られた夏の時間を回して回して回しまくっていたのが楽しく、飽きずに読めました。山谷の間の間延びしそうなところを設定使って上手くカットしているのが地味に効いていたと思います。タイムループと夏の親和性の高さって何なんでしょうね。

 

君のクイズ (小川哲)

「クイズ番組の最終局面で、なぜ一文字も読まれていない問題に正解できたのか」という魅力的なハウダニットを出発点に設定しながらも、その実問いそのものではなく問いの前に立つ人間の在り方を、すなわち「なぜ」「どんな人間が」を問うている。「問いと解答」というミステリのソリッドな本質(のひとつ)をハイレベルに描き切っているのがまず素晴らしいのに、そのうえで出発点のハウダニットにも満足のいく解答を用意しているのがなお素晴らしい。当たり前のことですが、正答を出すには答えを出さなければならない。しかし答えの正誤がどこにあるのかを見誤ってはならない。正答でも誤答でも、まずはボタンを押さなければ。

 

 

ロックマンエグゼ アドバンスコレクション

 ぶっちゃけ今月の後半はほぼエグゼをやってました。ポケモンモンハンに次ぐくらいには青春時代に楽しんだゲームだったので即購入。小学生当時の私が逆立ちしても倒せなかった4のラスボス・デューオを倒し、初プレイである6の過剰火力に驚き、今はのんびり1をプレイしています。ちなみにデューオはインビジブルで無敵になりつつガンデルソル連打という卑怯極まりない戦法でデリートしました。キャノンやら直線状に飛んでいく攻撃を好んでいた小学生当時の自分はもはや見る影もありません。でもあいつの強さ……というか4のバランスはやっぱりイカれてたのでは? 6、チップと獣化の殺意高すぎて笑っちゃいましたもん。5だってウイルスバスティングではほぼ苦戦しませんでしたしね。まあ5はウイルスバスティング以外のところでたまに異様に難度が高かったですが……百人斬りやりたくなさ過ぎて5を飛ばしてしまった……。

 ともかく、当時の懐かしさを感じつつあの頃どうしようもなかったフルコンプへの道が改造カードの全開放によって見えてきたので、クリア後の4,6も含めいつか完全クリアを目指したいですね。

 

 今月はここまで。大半をエグゼが占めた四月でした。ひと段落したので、そろそろ素晴らしき日々をクリアしたいですね。面白くなってきたところなので一気に進めたいですが、ゼルダ新作やLOOP8の発売があるのでゆったりペースになりそうです。

 

 

2023年3月まとめ

 いわゆる同人ゲームやフリーゲームは全然詳しくないなあとふと思い、調べて色々落としてみました。最近はswitchで売ってるインディーズも多いですよね。「シロナガス島への帰還」「マルコと銀河竜」「カガミハラ/ジャスティス」あたりは前から積んでましたが、それ以外にも探して――まあプレイはまだほぼ出来ていないんですが。

 きっかけになったのは「月姫」同人版の購入と「夢を確かめる」再販情報を得たことの二つです。プレミアついてるの多いですね~。「同人ing」再配布を見逃したの本当に痛恨ですよ。

 

好きな子がめがねを忘れた ~10巻(藤近小梅)

 中学生ラブコメ。僕ヤバなんかもそうですけど、中学生が主人公のラブコメは年を重ねるほどに悶絶度が上がっていきますね……わたしは汚れている……。

 些細なことに真剣に悩む姿がとても眩しかったです。それが未熟さゆえだとしても。

 この手のラブコメは男女どちらもかわいいのがいいですね。かわいければかわいいほどに読み進めるのがつらくなるのが不思議です。なんでラブコメを読んでダメージを受けるんだ?

 

 

深夜徘徊のための音楽

novelgame.jp

 フリーゲーム。とある兄妹が深夜徘徊をする、だけのノベルゲーム。タイトルにもある音楽がかなり良かったです。Lofi Hip Hop というジャンルは全くと言っていいほど知りませんが、なるほど静かな夜にぴったりの音楽でした。

 独特のテンポで紡がれる何気ない会話が心地よく、家族として彼らが積み重ねた時間を感じさせます。昨日と同じ今日、今日と同じ明日。変化がないようでありながら、しかし確かに変わった二人のお話として短くもいいストーリーでした。同サークルさんの他ゲームもやっていきたいですね。

 

 

グリッドマン ユニバース

ssss-movie.net

「SSSS.GRIDMAN」「SSSS.DYNAZENON」の続編劇場版。「裕太が六花に告白する話」でまとめてるのがめちゃくちゃいいですね。なんか自作についてやたら自覚的なセリフが多くなかった?

 もともと僕はダイナゼノンがかなり好きでグリッドマンはそこそこ好き、くらいの立ち位置だったのですが、同じような感想の人こそ見てほしい映画でしたね。つまり、グリッドマンでやっていなくてダイナゼノンでやっていたことを、改めてグリッドマンでやった映画だったということで。「5000年前のミイラと出会って、怪獣と戦って、彼女が出来ました」って要約が非常に的を射ていて良い。怪獣も日常も同じくらい大切なのだ。

 改めて恋の話をするのと並行してあらためてお別れの話をしていたのも良かったです。予想外のあの人やあの人の出演もあって、実に楽しい映画でした。

 

 今月は三作品。グリッドマンユニバースがとても良かったですね。ボイスドラマ聴きたくて久々に二回観に行ってしまった。怪獣や特撮に興味なくても、青春ものが好きな人はなるだけ急いでダイナゼノン観て、面白かったら映画も行ってほしいです。ぜひ。

 

 

 

 

 

 

2023年2月まとめ

 

 長いゲームずっとやっててクリアの気配がなかったり推理会に向けてうんうん唸ったり急にソシャゲを二つ始めたりしてたため、今月は書くことがあまりなく、過去最小となる二作品のみの感想になります。

 

映画大好きポンポさん

pompo-the-cinephile.com

 地上波登場ということで初めて映画版を視聴しました。漫画版は既読。漫画版からあったメタ的要素が題材そのものである映画媒体になったことで、より強く、真っ直ぐにテーマへ関わるメタフィクションになっていて楽しかったです。テーゼも物語も映画への愛が溢れるものであり、かつ同時に派手で分かりやすいB級エンタメを志向しているらしいのも主張に合致しいていてきれい。過剰すぎるきらいがある画面演出は正直わたしの好みとは外れるものなのですが、ギランギラン動きまくって絵だけで楽しめるくらいだったのも事実です。メタ言及が極まって「追加シーンを撮る」という原作にない追加シーンがあったり、どこまでも自身の在り方に自覚的なのが素晴らしいですね。

 

 

空の境界

 いろいろ出てますが今回触れたのは映画版です。ゼロ年代最盛であった現代伝奇もので、今観ると(当時から?)荒々しい若書きの面も見えますが、そういった点まで踏まえて面白い作品でした。奈須きのこ氏の経歴の中で、どんな立ち位置の作品になっているのか気になるところ。

 生と死、男と女、現実と夢、人と人形、過去と今、今と未来、過去と未来、浮かぶことと飛ぶこと、肯定と否定、得られない感覚と得られる実感、式と織、二重の螺旋、記憶と記録、人と鬼、そして自己と世界、その境界たる視座。全七章の中で、遠近を問わず隣接する二項の間に恣意的な境界を引き、そしてその境界が空であることを知る。観念的で曖昧な部分が多く、特にその傾向が顕著な終章をきちんと読めたとは言い難いので(映画館まで足を運んで、ほぼ動きがない画面であのファジーな話を聞かされたファンどんな気持ちだったの)、改めて小説版も読みたいですね。映像だと式と織の呼称の識別すら困難なのよ。

 

 

 というわけで映画二作品という非常に珍しい月になりました。魔法使いの夜からこっち、型月を今から追いかけようとあれこれ収集していますが、気が遠くなりますね。Fateだけで何作出てんだ。

 ちなみに冒頭で言った二つのソシャゲはFGOとブルーアーカイブです。正確には一月から始めました。どちらもどうやら最終章で盛り上がってるらしいということで始めましたが、まったく終わりそうにねえ! まあ追いつくまでに終わられても困るので、なるべく早くストーリー読んでいきたいですね。二つともキャラ育成が絶望的なまでにめんどくさいですが……

 

2023年1月まとめ

 

 一月はなんだかやたらめったら忙しく、何をしていたかあまり記憶がありません。本当に気づいたら終わっていた。何も覚えていないので当然書けることもあまりなく、さっさと感想に移ります。

 

紫色のクオリア (うえお久光)

 古典の域に入りつつある名作ラノベを読んでいこうキャンペーン、イリヤに続く第二弾です。今考えました。BWで色々読めるのにろくに読まずただお金を払っているだけになっているのでもっと読んでいきたいですね。

 二人の少女の関係にクオリア論を絡めたところを始発点に、あれやこれやとあっという間に信じられないくらい遠いところへカッ飛んで行ったのがとても良かったです。作中でも言及がありましたが『可能性を限定しな』かったのが素晴らしい。言葉の上での『なんでもあり』は、しかし大抵は物語の枠を保持するために何らかのルールが課されるものです。勿論本作でも最低限の舵取りはされているわけですが……とてもそうは思えないほどに枠組みが拡散していくので読んでいて楽しくて仕方がなかったです。宇宙の果てまで飛んで行った女の子が、最後にもう一人の少女の隣に戻ってくるラストも素敵です。

 

11文字の檻:青崎有吾短編集成 (青崎有吾)

 出版社もジャンルもてんでバラバラな短編をかき集めてできた短編集。本当に作者以外の全てがばらばらで、なぜかわたモテの二次創作まで収録されているという無法地帯ぶり。色彩豊かな短編の中で、特に輝いていたのは「恋澤姉妹」と表題作「11文字の檻」でしょう。

「恋澤姉妹」はジャンルそのものがどうしても内包してしまう宿痾をメタ的に組み込んだ中編で、幕切れまで一切のブレなく語るべきことを語りきった物語になっているのが良い。「11文字の檻」は極限までノイズをそぎ落としたシチュエーションから「問題を解く」という一点に注力し、極限までそぎ落としたはずのノイズすら含めて解答まで試行錯誤を繰り返すストイックな構成が楽しかったです。短編集としてはまとまりがある形にしてくれた方が好みだと思っていましたが、これくらいまとまりがないと一周回って好きかもしれません。

 

魔法使いの夜

 今月のベストワン。数か月のうちに映画が来てしまう! と焦って始めたけどまだ一年あったと中盤で気づきました。これプレイした結果、今月だけで新たに30,000円近く型月関連作に使ったと思う……月姫が高かった……。

 というわけでまほよです。滅茶苦茶良いジュブナイルでした。型月は登場人物がとにかく多く設定も複雑という印象がありましたが(たぶんFGOのせいだと思う)、本作は登場人物が最低限かつ設定の説明も丁寧でとても飲み込みやすかったです。設定が複雑でない、ということはありませんでしたが。

 青子と草十郎、有珠と草十郎、青子と有珠。単純な恋愛関係でなくとも確かに存在する三角関係を軸に、どこかちぐはぐに大人びている少年少女の冬。相容れず、理解さえ覚束ない主義信条をそれぞれに抱きながらも不器用に歩み寄ろうとする姿がとても愛おしかったです。三人ともめっちゃ可愛かったと思う。未来へ、明日へと絶えず変化を繰り返しながら変えることのできない部分を内心に持ち、それでも文明とともに変わっていくものもあり、落ち着く暇なんてあるはずもなく。そこらの大人よりよほどしっかりしているのに、年相応に幼い部分がある三者三葉の子供たちが、ベターハーフではない他者とともに過ごす限られた季節――という出会いの話が素晴らしかっただけに、十年続編が出ていないのが悲しいですね……。出会って、共に過ごし、そして必ず来る別れ。どうもバカ売れしたみたいなので、一、二年くらいで続編出てくれたら嬉しいなあ。

 

 というわけで今月はここまで。二月はあんまり小説読めなさそうだしゲームも終わらなそう(ペルソナ3素晴らしき日々を並行してるので数か月かかりそう)なので場合によっちゃ超ミニマム記事になるかもしれません。一番時間使うのは「侵略少女」になるでしょうけどね。推理してるんですけどマジで全然わからない。

 

 

 

 

2022年12月まとめ

 

 完全に時期を逃しておりますので今更あけましておめでとうとは言いませんが、皆さま年末年始いかがお過ごしでしたでしょうか。私はどう考えてもこんなことしてる場合じゃないなと思いながらやるべきことではないことをやったりしていました。つまりいつも通りですね。2023年もいつも通りゆるくやっていくつもりです。よろしくお願いします。

 

イリヤの空、UFOの夏 (秋山瑞人)

 もはや古典と言っていいかもしれない、ある種の作品群の先駆けですね。6月24日、全世界的にUFOの日から読み始めて、読み終わるまでなんと半年近くかかりました。一作にかけた時間としては最長かもしれません。

 時間がかかった理由は単純で、相変わらず文章が死ぬほど上手く、死ぬほど上手いがゆえに読み進めるのが物凄くつらかったからです。奇しくも作中と同様、夏の延命を図った形になりました。こんなにも「夏」が象徴的な作品だとは……。

 ほぼすべてが詳らかに語られる学園生活と、対照的にその詳細がほぼ語られない園原基地の内実。秋穂の心情は詳細に語られ、榎本の真意は最後まで明言されない。語りによって伝える。語らないことで想像させる。相反する二つの技術がともに最高水準というわけのわからない離れ業を成している傑作でした。

 

 

それでも君を幸せにしたい ~3巻(野呂俊介/ときゎ)

 三巻で完結か~。もっと続いてほしかったと思いますが、二人(三人)の関係に絞るならこのくらいの長さになりますよね。アグロ極まる変則三角関係ラブコメ。深刻さをとことん削り、心底楽しそうな作品になっているのがとてもいいです。

 野呂先生の作品は毎回そうですが、キャラクターが可愛く、加えて本当に日常を楽しんでいる感じがあるのがとても好きです。前作が付き合うまでのわちゃわちゃでエンタメしていたから今作は付き合ってからのイチャイチャを見せつける、みたいなコンセプトだったのでしょうか。

 

 

トリリオンゲーム ~5巻(稲垣理一郎/池上遼一)

 何度見ても大物タッグすぎる……。アグロ極まるマネーゲーム。ハッタリが馬鹿馬鹿しくなるくらいド派手で見ていて楽しいですね。

 日本の片隅から元手ゼロでトリリオンダラー(1,000,000,000,000$)を稼ぐ、という果てしない道のりを異常なスピードで駆け上がっていくのがいっそ爽快です。すごい。何がすごいって作品のほとんど100%がハッタリで構成されているところです。全てがハリボテ。ヒューマンドラマは大真面目なのにひとたび人間からフォーカスが外れた瞬間すべてがホラ話になるという大胆すぎる構成をトリックスター稲垣理一郎と大御所池上遼一の剛腕で無理矢理通すという。おそらくはそう遠くないゴールが今から楽しみです。

 

 

かぐや様は告らせたい ~28巻(赤坂アカ)

 サブタイ書かなくていいよね? なんだかんだ長かったラブコメもついにフィナーレ。贅沢な紙幅で語られるエピローグがしみじみ良かったです。

 とはいえ、実は感想に書くことあんまりないんですよね。すべてが丁寧に作中で描かれているので。ラブコメ的な山場はとうに終わっており、その後に語られるのは長い長いエピローグ。物語から一歩外れて、終わりの後を語ってなお、作品である以上終わりはやってくる。恋が成就しても、フラれても、卒業しても人生は続くけれど、語るべきことを語り終えたならピリオドを打つのが美しいというものです。作画としての活動は終わりにすると宣言している赤坂先生ですが、次回作も楽しみです。

 

 

ぼっち・ざ・ろっく!

bocchi.rocks

  普段は原作付きのアニメをあまり観ず、たまに気になるオリジナルアニメを観るか、そうでなければ新作が放送されるたびにOPとEDだけチェックする私ですが、今期は珍しく漫画原作のアニメを毎週しっかり鑑賞しました。そう、「ぼっち・ざ・ろっく!」です。

 どういうわけか異様なほど細部にこだわった完成度の高いアニメでしたが、中でも特に楽曲が良かったです。本当に良かった。OP、ED、作中歌が軒並み素晴らしく、アニソン好き兼邦ロックーー中でもガールズバンドが好きな身としては嬉しかったですね。

 楽曲だけでなく、キャラクター、ストーリーも漫画を踏襲しつつアニメ化に当たり磨きがかけられていて、後藤ひとりの成長物語として完成されていたところにも愛を感じました。最終話Cパートめちゃくちゃ良かった。

 結束バンドオリジナルフルアルバムは名盤なので皆さん聴きましょう。私が好きなのは「カラカラ」「ひみつ基地」「星座になれたら」とアジカンのカバー「転がる岩、君に朝が降る」です。

 

 

 というわけで2022年ラスト分のまとめはここまで。締めくくりにふさわしい満足感でいっぱいの月になりました。

 

 

2022年11月まとめ

 鍋が美味しい季節になりました。

 鍋料理いいですよね。適当に食材を切って適当に煮れば美味しいので重宝してます。うどん雑炊即席麺を醤油味噌キムチその他の味で組み合わせてローテさせて日々腹を満たしているずぼらな私です。一人暮らしだとどうしても余らせがちなので具材は大体白菜とかえのきとか豚肉で固定ですが飽きがあまり来ないのもえらい。

 そんなこんなで冬を感じた11月、ゲームする時間が多かったので読書量は少なめです。

 

栞と嘘の季節(米澤穂信

 まさか続くとは思わなかった……と、どうも作者的にも突発的な続編だったようで。しかしそんな再起動でもぎこちなさを感じない自然体で始まるあたりは流石の一言ですね。

 今作のテーマは「嘘」。前作テーマの「鍵(=隠されたもの)」を一部引き継ぐ「隠そうとする意思」についての話であったように思います。犯人だけが嘘をつく推理小説の箱庭から飛び出した、犯人が共犯者が関係者が探偵が――誰も彼もが嘘をつく現実において、論理の力はあくまで補助具のひとつであり、より大切なのは他者の言葉に耳を傾けること。そうやって隣人を知りーーそして隣人を知る難しさに直面する。シリーズとしての方向性も固まったのでは? いつか三作目が出ることを期待しております。

 

HUNTER×HUNTER ~37巻(冨樫義博

 うわああ連載再開だ! ということでいちから買い直して通し読み。今更言うことではないですがめちゃくちゃ面白いですね。

 設定の多さ、キャラの多さ、そして何より文字の多さをあからさまに感じつつも一切読みにくさがないのが恐ろしいですね(まあ連載で読むと絵が荒れてて読み辛えなんてことはあったような……)。絵・構図の上手さもさることながら、理解しなくていいところは理解しなくても楽しめるようになってるのが重要かなと思います。正直ツェリさんの能力とかよくわからん事象改変能力くらいの理解しかしておらず細かい条件とかさっぱりですがそれで問題ないですからね。

 

ポケットモンスタースカーレット

 今月の時間泥棒。対人に興味ないので図鑑完成までまでやってとりあえずクリアとしました。楽しかった〜。

 本作、とにかく自由にポケモンとたわむれられるのがかなり好みでしたね。ストーリーそっちのけでポケモンを乱獲して日が暮れてるなんてことも多々ありました。毎回ポケモン全捕獲しつつ進行するスタイルなのでこれまでレベル的に苦戦したりすることはなかったのですが、今回はオープンワールドということもあり何回か全滅したり必死で逃げたりがありました。具体的にはペパーと野良テラスタルルカリオです。ペパー君あれでよくバトル苦手とかのたまったな……。逆にレベル上げすぎた時はその辺で捕まえた適正レベルのポケモンを使えばよかったんですがね。面倒な時はオーバーキルしてもいいし。

 そしてストーリーも良かった。流石に本邦のジュブナイルを二十年以上担っているだけあって、刷新しつつも本懐を見失わない安定感がありました。三者三様の冒険の果て、子供たちがそれぞれの宝物を心底嬉しそうに抱きしめているのが本当に良い。グッときた。彼らを見守る大人たちもまた、それぞれの宝を磨き上げていると感じられたのも大人になった自分に刺さる。これまでの冒険で得たものすべてが宝物だなんてありふれて古びた言葉で、それでも、究極まで磨き上げればそんな言葉だって今なおその輝きは失われていないのかもしれません。

 

 てなわけで三作。その他には色々読みたい本ややりたいゲームを探したりしてました。

瑠璃の鳥

瑠璃の鳥

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 これはとあるノベルゲー……というか言ってしまうとアダルトゲームの曲です。サブスクないから買ってしまったくらい良い曲。「ノベルゲー ミステリ」で調べるとすぐにエロゲにぶつかるのって何故なんでしょう? 単にノベルゲーの中でアダルト作品が占める割合が高いからか、エロと同時にグロも解禁される関係か。謎。「殻ノ少女」以外にもやってみたいゲームの目星をいくつかつけたので追々やっていきたいですね。まずはカオヘと魔法使いの夜ですが。