鹿の積ん読

漫画を読んだり、小説を読んだり。好きなものの話をします

2022年10月まとめ

 ここしばらくずっと文字を追う気になれず、余暇は専ら漫画とゲームに消えていくのが常だったのですが、ここひと月ほどはぼちぼちと小説も読んだりして過ごしていました。それでも月二、三冊程度ですがゼロ冊とは大きく違いますからね。読むのが大事。年内に2022年発売の新刊をある程度読んでおきたいのですが、積み期間が長すぎて今年発売したのどれかわかんねえ~と適当に読んでいます。体感二冊に一冊くらいは今年の新刊です。

 

Spotted Flower ~5巻 (木尾士目)

げんしけん」の木尾士目先生による社会人恋愛もの……の一言で済めばよかったのですが、そう簡単ではないげんしけんIF。げんしけんIF⁉ 自作のパラレルでこんな話を描いているという事実に勝手に緊張感を感じてしまいます。基本的な作風がポップで明るい(風に読めるようにしている)だけに異様な迫力がある。

げんしけん二代目」で形成された唯一無二の人間関係をモラトリアムの終焉後も継承し、本編からのたった一つの変化から連鎖する混乱をとても読みやすく、わかりやすい形で描いている本作ですが、それにしたって自身の代表作をスクラップ&ビルドすることにためらいがななさすぎる。なんならスクラップの時点で止めてないか? 本当にビルドする気あるのか? 困惑する点は多々ありますが、その中でも特に、高坂の掘り下げが本編以上に進んでいる点が一番わけがわかりません。

 

模型の町 (panpanya)

 二作続けての楽園コミック。恥ずかしながらpanpanya先生の作品は初めて読んだのですが、めちゃくちゃ面白かったです。キャラクターではなく世界と世界の描き方だけで戦える数少ない作家のひとりなのではと思います。

 異界というには現世に近く、現世というには不思議が多い。明らかにここではない場所を描いているのに、読んでいると強く今この場所・世界を強く意識してしまいます。模型は町を模している町ではないものですが、しかし同時に、やはり町そのものでもあるのです。

 

方舟 (夕木春央)

 夕木春央先生は三冊目でしょうか。「絞首商會」も「サーカスから来た執達吏」も面白かったですが、今後夕木先生の代表作として挙げるのは本作になると思います。

 水に沈みゆく謎の地下施設を舞台に、大枠はいわゆる「犯人当て」。派手でエンタメ的な舞台とは裏腹に、事件そのものはミステリの流儀に則り、非常に手堅く丁寧に紐解かれます。それだけでも十分満足できる内容だったでしょうが……それだけで終わらなかったのが素晴らしい。「動機を論理的に一意に定めることは不可能である」とは、多くの犯人当てが含む(ミステリが含む、ではないです)定義のひとつであり、覆しがたい事実です。しかし問題を解くことと事件を解決することは異なるというのもまたひとつの事実であり、本作はまさしくその差異を突いたと言えるでしょう。ちょー面白かった。

 

ダークソウル3

 楽しかった……。二週目しようか悩むくらいに楽しかった……。まだ一体ボスを倒せてなくて、倒せる気配もなくて心が折れているけどそれでも楽しかった……。

 フロムゲーはダクソ、エルデン、ブラボに続いて四作目のプレイでした。次はSEKIROかなあ。

 

 てなわけで今回は漫画二作、小説一作、ゲーム一作でした。他にもハンターハンター再開に伴って蟻から継承式を繰り返し読み返したりにじさんじ遊戯王祭り見ながら遊戯王のデッキ組んだり、ひっさびさにちゃんとアニメを観たりして過ごしています。観てるのは「ぼっち・ざ・ろっく!」と「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の二作です。ぼざろは劇中歌がとても良いのが素晴らしいですね。アルバム出るのかなり嬉しい。