鹿の積ん読

漫画を読んだり、小説を読んだり。好きなものの話をします

2021年6月 まとめ

 

 一か月がやけに早く、気づけば2021年も半分が過ぎましたね。最近の僕は読書以外だとMTGアリーナをやっています。デュエルマスターズしかTCGの経験がなかったので敵のターン中でも呪文が使えたりなぜかクリーチャーも呪文扱いだったり、新鮮な気持ちで楽しんでいます。マジで勝てないのでデッキを調べてコピーデッカーとして戦っていたのですが、敵のデッキって直接狙っていいものなんですか? 土地とかクリーチャー出すだけでゴリゴリ敵のデッキが減っていくのひどくない?

 次は「精霊龍、ウギン」ってカードがデカくて面白そうなのでこのカード使うデッキ作りたいです。

 

 

 では、今月面白かった作品たちの話に移りましょう。ゴジラとダイナゼノン終わっちゃいましたねー。 

 

 

「映画大好きポンポさん」シリーズ (杉谷庄吾)

 これはあれですね、映画じゃなくて一連の漫画シリーズです。スピンオフ二作、短編集一作、本編三作の計六冊。映画への愛を片手に始まったシリーズが四年かけて六冊の単行本を出し、ついには映画にまでなったと思うと感慨深いものがあります。

 改めてシリーズを読み返してみると、「どう読まれるか」に恐ろしく自覚的なシリーズですね。90分で過不足なく完結した一作目、「続編」として自らに目を向けた二作目、そして番外編をはさみフィナーレとしてエンタメを標榜した三作目と、いずれも情熱と計算の上に立つ見事な作品だったと思います。映画を愛す人間による映画についてのシリーズでした。

 映画版ですか? 近所の映画館でやってないので観れてません。超観たい。スタァライトも上映してないし、どうしよう。こういうとき田舎は困る。

 

 

るん(笑) (酉島伝法)

  最近にわかにSFめいているので、新規の作家で何かしら読むか~と軽い気持ちで読み始め、ひどく後悔した一作です。とにかくキツかった。本当に途中でやめようかと思った。本作はスピリチュアルと言葉遊びが幅を利かせるIF世界を舞台にした短編集で、発想と言語操作によってつくられる生々しく飲み込みがたい日常が一冊ずーっと続く拷問のような本で――これめっちゃ褒めてるつもりなんですけどけなしているようにしか見えませんね……日本語難しい……。

 とまあ日本語すらうまく使えない僕とは違い、本作では言葉による世界の組み換えが随時、最初から最後まで絶えず行われており読んでいて真面目に具合が悪くなってきます。言葉によって存在しない線をなぞり、無意味な流れに意味を見出してすぐそばにある破滅から目を逸らす。地獄のような日々で堂々蠢く悍ましいアイデア群の中でも「千羽びらき」は特に白眉な最悪さに満ちた短編であったと思います。マジで嫌だ。

 

 

ゴジラ S.P

godzilla-sp.jp

 

 脚本に円城塔を迎え、ネトフリで配信された新ゴジラ。いやー面白かったですね~。ホントに面白くて……面白かったですねー。えーと、面白かったですね!

 今、感想を書こうとして「面白かったな」しかでてこないことに驚いています。わかりやすい! よかった話が追えるし面白いぞ! と思っていたのに、実はちゃんと理解してなかったのかもしれません。何が起きたのかはわかってるけどなぜそうなるのかはよくわかってない的な。逆に言うとそれでも流れが理解できて楽しめる作りになっていたということですかね。言語SFの名手・円城塔節全開の展開も見たかったですが、こういう形で翻訳がなされた本作の方がずっと楽しめたのは確かでしょう。終始好き勝手に無茶苦茶やってたオオタキファクトリーの面々とラストにすべてを持っていった悪人顔の皆さんが好きです。

 

SSSS.DYNAZENON

dynazenon.net

 

  特撮ほとんど通ってなかったのになぜか今期観たアニメふたつとも怪獣アニメです。というわけでダイナゼノン。前作グリッドマンと比べて落ち着いていて、どこかダウナーでさえある日常パートがすごくよかったです。もはやどうしようもない過去に対してそれぞれの答えをしっかり出しているのがさわやかですね。会いたい人に会えないままに役割を果たしたガウマ、答えが得られないという答えに納得した夢芽、それぞれに過去を踏まえて真逆の答えを出した暦とちせ。上手く人の群れに馴染めない、怪獣のような面々が最終話でゆっくりと歩きだすのがとても良かった。

 怪獣優性思想という敵役も良かったですね。安全とはいかないまでも近づくことはできて、会話もできる敵。同じ学校に通ったりサシで酒を飲んだりさえしたにもかかわらずどこまで線分を伸ばしても決して交わらない存在。怪獣を使う怪獣。あんなにユーモアあふれるキャラなのに最後まで全く「分かり合えなかった」のがすごく好きです。

 

 

 今回はここまで。三ヶ月追いかけてたアニメふたつと漫画小説一作ずつの計四作です。最近アニメ見たい気持ちなのでまたぞろ何か見たいですね。把握してる範囲だと「かげきしょうじょ!」が楽しみなんですがネトフリ配信あるかなあ。それ以外だとエヴァまどマギとか観たいです。ただまとめ観るってのができない質らしいので、のんびりと触れていければと思います。