鹿の積ん読

漫画を読んだり、小説を読んだり。好きなものの話をします

2021年5月 まとめ

 別段忙しかったわけではないのになぜか今月は過ぎるのが早く、やろうと思っていたことが全然終わっていません。この記事も大慌てで書いています。月いちブログ、基本的にそんなに時間がかからないはずだし実際はじめちまえば早いのですがなぜかいつもギリギリになるのは何故でしょうね。

 

君のことが大大大大大好きな100人の彼女 〜5巻 (中村力斗 / 野澤ゆき子)

 いわゆる少年誌的ハーレム展開を加速させて、加速させて、加速させて誕生した驚異の作品。こういうのって可愛い女の子がいっぱい見たい!くらいのコンセプトから始まるもんだと思うのですが、いたって真面目にやった結果がこうなるのだから世の中分かりませんね。一見するとどうかしてるんですが、もしかしたら最適解かもしれないと思わせるだけの論理が垣間見えるのがすごい。すさまじく卓越した技術力だと思います。五巻時点で十人超のキャラが紙面狭しと動き回る異常なドライブ感を伴う漫画と化しているのですが、これ本当に百人いけるんですか?余白という物理的な限界が近づきつつある中で一体どんな展開をしていくつもりなのか。今後どんな無法を繰り出してくるのかとても楽しみです。

 

 

裏世界ピクニック ~6巻 (宮澤伊織)

 ネットロアを題材にしたホラーSF百合冒険小説。改めて要素を抜き出すとすごい欲張りセットですね。異界のルールで動く裏世界のわくわく感と、妙な生活感とか銃器や農機、カラテといった現実感が一緒くたになった雰囲気がとても楽しい。好きな相手と知らない世界で冒険するのは当然楽しいですからね。話が進むほどに冴月さんが単なる舞台装置に成り下がっていくあたり容赦ねえなーとも思いますが、あれは理の外に行ってしまった存在ですから当然の零落とも言えるかもしれません。

 

 

三拍子の娘 1 (町田メロメ)

  今月の新作漫画では一番のヒット。三拍子というタイトルに表されるように、親の失踪から日常の四方山話までがずーっと同じテンポ・同じテンションで語られるフラットさがとても爽やかです。アイツムカつくし許してねえけどいいとこあったのも認めないとフェアじゃねえよね、けどまあ日常は待ってはくれないし邪魔だからーーと過去を傍に置く健全さ。ラストで過去が向こうからやってくることが示唆されましたが、彼女たちの三拍子が崩れることはない、あるいは崩れてもすぐに元のテンポに帰っていくだろうという安心感があります。

 

 

女の園の星 2 (和山やま)

 これ、三巻以降の表紙どうするんでしょうね……。まそれはともかく、 一巻に引き続き絶妙な塩梅で繰り出される素敵ワードがとても良かった。さらりと流れるセリフがいちいち良い。わかりやすいキャラ付けがないのにそれぞれに迸る個性があるのがすごい。星先生のキャラクター、本当に形容し難い良さがある。

 コメディ・ギャグの感想って難しいな……。

 

 

 三千世界を弔って 1  (二ツ森曜子)

  こっちもかなりのヒットでしたが出たのが四月なので今月の新刊ではないです。こういうワンアイデアを飛び石のように移り渡ってひとつの大きな流れ(に見える何か)を作り出すタイプの話はとても好きです。最近だと「宙に参る」とかもそうですね。そういえばあっちも葬式の話だな。

 さまざまな形で終わりを迎えた後の世界を神とロボット、すなわち人ではないものたちが旅をするというのがとても好み(ヨミもミコもかなり人間的に描かれてはいるますが)。弔いの対象を人ではなく世界そのものとしながら、どうしようもなく人間への愛情が溢れている雰囲気も素敵です。にしても、黄泉と巫女ってネーミングはダイレクトですね。

 

 

 今月はここまで。最近かなり漫画読んでる気がしますが、映画もどんどん観ていきたいなという気分でもあります。ポンポさんもスタァライトも近所でやってないみたいでおれは泣いた。ネトフリで何か探すかな〜。

 あと、漫画小説の話ばっかりしているので、毎月一曲くらい最近聞いた好きな曲とか置いたりしようかなとかも考えてます。もっと節操ない記事にしたい。