鹿の積ん読

漫画を読んだり、小説を読んだり。好きなものの話をします

2021年12月まとめ

 

 新年あけましておめでとうございます。……寒いなあとぼんやりしているうちに年が明けていたので特に前置きで言うことが思い付きませんね。2022年もよろしくお願いします。

 

 

超人X 1~2 (石田スイ)

 石田スイ先生の新作⁉ 正直もう描かないんじゃないかと半ば諦めていたのでたいへん嬉しい。ペニ……も消えるし。

 石田スイ作品ではもうお馴染みとなったダーク寄りのヒーローものフォーマットで、序盤からハッタリの効いた一枚絵がバシバシ決まるのがカッコよくて楽しいです。独特のノリも懐かしい。二巻の野球少年みたいなショートエピソードがもう少し続くといいなあ。

 

まほり (高田大介)

 超面白かった。調査パートが面白いミステリはいいものです。調査パート、半分くらい「図書館で調べものする」という地味さですけどね。面白い。

 堅実で現実的な調査手法を意識しながらも、主人公らのひと夏の冒険が学術的な観点からはまだまだ未熟なものであるという視点が一貫していたところも好きです。真相にたどり着いたのは偶然と客観性からは程遠い事情によるもので、たどり着いた真相その者についても真実の一側面に過ぎないということ。それでも夏の終わりに間に合ったのはそういった個人的な感傷があったからだということ。個人的な事実の象徴であり、最大の切り札でもある「彼だけが知っていた手がかり」がラストで明かされるのもスマートでした。

 

輪るピングドラム

 運命と愛と、そして家族のお話。もっといろんな要素がおもちゃ箱みたいにぎっしり詰め込まれてましたが、大きく分けるとこの三つかなと。

 リンゴや電車や日記や棺や箱やペンギンや氷や炎……無数のモチーフが無数の意味を内包し、繋がり、いつしか輪になりまわっていく。キャラのバックボーンが明かされるにつれて伏せられていた意味が分かっていく後半戦は特に面白かったです(もうかなり前の作品だからネットにごろごろ考察とかが転がってるのがとてもありがたかったです)。選ばれなかった可能性も抱きしめて、生きていこう。

 

 新年一発目はここまで。みじけえ。ピングドラムの映画、かなり楽しみです。