鹿の積ん読

漫画を読んだり、小説を読んだり。好きなものの話をします

出遅れてしまいましたがワートリ再開めでたい(葦原大介「ワ—ルドトリガー」)

 二年の療養を経てついに復活を果たした遅効性SF漫画「ワールドトリガー」がすごくいいところでSQに移籍になりましたねってなわけで今回はワールドトリガーの話です。本当はもう少し早く書くつもりでしたがだいぶ遅れてしまった。

 

 

 

 この漫画の何がすごいって、やはり多人数が入り乱れる集団戦をめちゃくちゃわかりやすく展開してくれるところだと思うのです。誰が、どこで、何をしているかが超わかりやすい。事前に戦略戦術を練り、きちんと連携を取って、理詰めで駒を動かしながら物語を盛り上げる。そしてそれを一読で理解できるほどわかりやすく描写する。ものすごく難しいことをさらっとやってのけるのがマジ信じられない。大規模侵攻は近界民側の無体な所見殺しに数の有利と情報の共有で立ち向かう乱戦がたまらなく面白いですし、B級ランク戦は三つ巴・四つ巴でキャラを立てつつ絶えず変化する戦術戦略の妙をこれでもかと堪能させてくれます。どっちも大好き。

 大規模侵攻編、本当一切容赦なく初見殺しが決まるのがすごく楽しいんですよ。星の杖と卵の冠は本当にクソゲーだと思います。よけられない攻撃がよけられないタイミングで来ればどんなに強い奴でも当然死にます。首は飛び、胴は真っ二つになる。その当たり前は少年漫画ではわりと誤魔化されている(これは僕の先入観も入っているかも)ような印象があるのですが、死んでも死なないトリオン体という設定によって初見殺しがちゃんと機能しているのがすごく好みです。それとベイルアウトは素晴らしい発明ですね鬼怒田さんはすごい。

 その後に続くB級ランク戦もこれまた超楽しい。どの試合も見所だらけですが現状のベストバウトは二宮隊・東隊・影浦隊・玉狛第二の四つ巴戦ですかね。オサムの扱いが本当良い。修行後の初試合で何もできずに落とされた主人公も、主人公の成長を「不確かな要素」と切り捨てる少年漫画も初めて見たんじゃなかろうか。「修行の結果弱くなる」主人公……がんばれ……。あとニノさんとゾエさんがいい味出してて好きです。適当メテオラ、ロマンがある。

 ランク戦に関してはA級の試合がどんな感じなのかもすごく気になるんですけど見られるのはだいぶ先になりそうですね。冬島隊の戦い方とか絶対クソゲーだろうなと思います。

 それと今やってる鈴鳴第一・東隊・影浦隊戦もベスト候補になりそうです。ゾエさん大好きだ。