鹿の積ん読

漫画を読んだり、小説を読んだり。好きなものの話をします

2022年6月

 暑すぎません?

 

ペルソナ5 ザ・ロイヤル 

 祝、switch版発売! ということでペルソナ5。先月のエルデンリングに続き、六月を八割ほど持っていかれました。ひとまずラスボスは倒したので、今はのんびり二週目を進めています。十股プレイです。いや、やらないわけにもいかないじゃないですか、十股。それだけですから。

 画面のすみずみまでオシャレで見ても聞いても楽しいのが良かったですね。ダンジョンはそれなりに長いですが戦闘一回が短いのでテンポよく進められたのもありがたかったです。オクムラシャドウだけは許さないけど。

 ジャンルが変わるらしい「ファントムストライカーズ」も早いとこやりたいですね。steamサマーセールとかもあってかなり忙しくなってきました。

 

 

ケイジカ(ショルダー肩美)

omocoro.jp

 改めて見るとなんだこのペンネームは。オモコロ掲載の短編漫画ですね。

 大まかな筋は、部屋に現れた奇妙な男と部屋の主がウィットと詭弁に満ちた会話をするギャグマンガ……というだけなのですが、最後の最後で思わず「嘘じゃん」と爆笑してしまう仕掛けが出てきて二度三度と読み返す羽目になりました。知ってから読むと確かにそういう話なのですが、だからこそ予想がつかないんですよね。本質的に意味がない話で、意味がないゆえに予想は出来ない。

「ショーハショーテン!」読んでても思いましたが、ロジックに依るギャグ漫画は構造がほぼミステリですね。

 

 

ショーハショーテン! (小畑健/浅倉秋成)

 浅倉先生と小畑先生のコンビってなわけで読もう読もうと思っているうちに二巻が出てました。浅倉先生何やってんの、と思ったらどうもお笑いやってた時期もあるようで。

「伏線の狙撃手」としてのスキルを遺憾なく発揮した話の進め方になっているのが面白いです。題材からしても淀みが出てしまうと一気につまずいてしまうと思うんですが、まったく滞りなくストーリーが進行していくので安心して読めますね。順調にキャラが増えているので、この調子でいろんな笑いの型と考察を見ていきたいなあ。声の抑揚や喋りのテンポを聞かせられないというハンデをベテランの小畑先生が上手くフォローしてくれているのも大きいと思います。

 

なめらかな世界と、その敵(伴名練)

 何年も前からすごいすごいと聞いてはいましたが、読んでみたら予想以上にすごくておったまげた。恐ろしく実力のある書き手が頑ななまでにひとつのテーマに全力を注いでいる様には、ある種恐怖すら感じます。なんでも書ける中で選択される君と僕の物語。「きみとぼく」だといわゆるセカイ系ぽく聞こえますね。実際そういう向きはあると思いますが、それも一つの側面でしかないと思うので君と私とかに言い換えておきましょうか。

 なめらかに広がる並行世界、架空の年代史、デザイン可能な感情……様々なかたちで可能性が拡張された世界でたったひとつを、あなたを選ぶということ。断絶をもたらすのがその可能性であるならば、ふたりを繋げるのもやはり同じ可能性であるということ。斜線堂先生の解説文がけだし名文です。ひたむきな一途さでジャンルから受け取った愛を次代へ繋ぐ、すばらしい作品集でした。

 

 

 てなわけで今回はここまで。ゲームやってると本読む時間がどんどん減っていきますが、それでも面白い作品にぶつかれるのは本当にありがたいです。