鹿の積ん読

漫画を読んだり、小説を読んだり。好きなものの話をします

2022年7月まとめ

 

 最近遅刻しがちなこのブログ。今月は一週間遅れでお送りします。

 

映画ゆるキャン△

yurucamp.jp

 社会人編。社会人編⁉ 前情報を全く知らなかったので驚きつつ観に行きました。原作の良さを残しつつ、原作ではできないこと、しないことをやっていたのが良かったです。もともと「一緒にいること」だけが大事ではないとしてきた作品だからこそ、社会に出た後の友人関係の豊さが魅力的で羨ましくありました。年単位で合わない高校時代の友人とまめに連絡取りあっていて、会ったら当時のノリがよみがえる関係ってとてもいいと思います。できないことは増えたけど、それ以上にできることは広がったし、楽しいことはたくさんあるのだと示す手つきに押し付けがましさを感じなかったところも好みでした。余裕がある感じで。

 

5A73(詠坂雄二)

5A73

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 なんと2年ぶりの新作。待った甲斐あってとても楽しめました。語ること/語る意図について手を変え品を変え、時にミステリというジャンルから離れたりもしながらテキストを紡いできた詠坂雄二のローディング後の再始動であり、原点回帰でもあったと思います。そこに「意味がない」ことが確定している幽霊文字をモチーフに語られる意味についての右往左往。空の箱だからこそ、その内側には人の意図が入り込む余地があります。答えがないからこそ解釈は自由であり、自由だからこそ指針は見えない。作者たる犯人と別の作者である彼との間接的な対話は、本作を締めくくるに足る「作品」でした。

 

イマジナリー 2巻 (幾花にいろ)

 思ったよりも早く二巻が出て嬉しい。成人向けで鳴らしている幾花にいろ先生の全年齢版日常作品です。

 しょーもない会話とか、だらだら続く日常とか、あと画風がめちゃくちゃ良いところとか、一つ一つが地味ながらハイセンスで楽しい。日常のアベレージが高い。実のところ取り上げておいて特に言及するところは思いつかないのですが、言及するところのなさこそが魅力的な作品な気がします。いわゆる幼馴染な関係性が無茶苦茶好きなのでそこの加点も大きいです。後は年に二冊くらいのペースで出てくれればいうことないんですが高望みですかねー。

 

ゴールデンカムイ  (野田サトル)

 三十一巻にて遂に完結。最終盤の情報圧縮技術が凄まじく、加筆も伴ってとても贅沢な読書でした。最初から読み返したらえらく疲れた。

 アクの強いキャラクターの個性がぶつかり合って盤面を動かしまくるのががとても楽しく、結構な長期連載となりましたが最後まで飽きませんでしたね。サブクエも多かったし。長く付き合ってきただけあって、バケモノひしめく北海道を舞台に、その中でも特別にバケモノとしての側面を見せ続けてきた主要人物たちの物語が人間のそれとして閉じられたのには感じ入るものがありました。杉本も鶴見中尉もバケモノには違いないが、それだけの男ではない。

 

以上、今月は四作品。最近、ゲームの方はブラッドボーンを楽しんでいます。フロムゲー遊ぶのは三作目になりますが、今までで一番先頭システムが肌に合う。超楽しい。