鹿の積ん読

漫画を読んだり、小説を読んだり。好きなものの話をします

2021年2月 まとめ

 

 何とびっくり二年ぶりです。忙しかったのと存在を忘れていたのと長い感想書くのがやたらと難航したのと、その他もろもろの理由で放置しておりました。正直存在を忘れてすらいた。

 それはともかく。今年はコロナ等もあり夏が過ぎたあたりから矢鱈滅法忙しく、小説は読めず感想も片手間でして。ならばリハビリがてら久々にブログでも動かすか、と思い立った次第でございます。久々すぎて文体がわからねえぜ。一番無難なですます調にしますか。

 さて、前書きはこのくらいにしましょう。いきなり一記事一作品は大変そうなので、今月読んで面白かった作品というくくりでいきます。三月分も書ければいいな……忙しくなりませんように……。

 

 

 五等分の花嫁 1巻~14巻 (春場ねぎ)

 

 五つ子ラブコメ。なんか人気だなあというのは知りつつ、しかし僕はヒロインレースとかいうやつに全然興味がないので今まで放置してました。結論から言うと超面白かったです。何がハマるからわかりませんし話題作はとりあえず手に取る癖をつけていきたいもんですね。

 しかしスタート時点では「よくあるラブコメ」という印象がぬぐえなかったのも本当。印象が変わったのは一連のキャラ紹介と前提の提示を終え、表紙が花嫁仕様になった七巻あたりからでしょうか。基礎問題を終えた後の応用問題といった様相で、同じ顔・違う個性を持った五人+αの人間関係を組み合わせバラしまた繋ぎ……そして決して五等分し得ない「花嫁」というゴールへ向けて進行していく。パズルのような展開に加え、入れ替わりギミックを無制限に使えるのも相まって読み味が完全にミステリでした。入れ替わりを一花が悪用し始めたときは本当にびっくりした……。いやほんと、ヒロインとしては四葉が一番好きなんですが、キャラクターとしては一花も好きです。修学旅行周辺での挙動がラブコメヒロインのそれではない。

 

 

 メダリスト 2巻(つるまいかだ)

どうしたらこんな不確かな未来に

期待をかけてもらえるひとになれるんだろうか

 

  冒頭のモノローグがあまりにも良いので引用。

 皆さんご存じ、新進気鋭のフィギアスケート漫画。「不自由な氷の上で、きれいな衣装を着て踊る」という競技の性質を主人公・いのりの問題と重ね、初舞台で昇華した第四話がとても良かったです。120%の喜怒哀楽で表現される少女たちの今はあまりに眩しく、同時にガラスのような鋭さで、切実な熱を感じました。未来を選ぶにはあまりに幼い少女たちと彼女らを導く大人たち。共に迷いながら司がいのりを導くように、姉の姿が妹を氷上へ連れ出したように、いのり自身がどこかの誰かの道標になっている事実に泣きそうになる。

 ゴールがメダリストである以上、彼女たちはまだスタートラインに立ったばかり。未来を選ぶにはあまりに幼い子供たちのこれからに、いったい何を見せてくれるのか。今から楽しみでなりません。

 

 

筺底のエルピス 7 継続の継ぎ手 (オキシタケヒコ

 

 時間停止の棺使いと因果を超える鬼、そして遥か天上に座す者によるSF叙事詩、待ちに待った最新刊。一気読みでした。一気読みしたせいでスケジュールがヤバくなったけど後悔はしていません。

 一巻通して戦い尽くしの巻でしたが、今回のハイライトはなんと言っても対霧島戦でしょう。「相手をよく知っている」前提で組まれる作戦が非常に面白かった。改めて見ても所見殺しが多すぎるぜ。

 そして霧島戦を含めた戦いのすべてが、「巨大な機械仕掛けの上で、しかし役者はあくまで人である」という点で貫かれるのが本当に好きです。不完全な人のゆらぎを理解しない異星体がいるからこそ、人間たちの不確かさと可能性の輪郭がわかる構図が見事。

 終わりを遠ざけるために戦ってきた者たちが織り成すタペストリーは本章でさらなる広がりを見せ、いよいよ最終章へとなだれ込んだわけですが、どうなるんでしょうねこれ。「絶望時空」とかいう容赦ない章タイトルが怖すぎるんですが。白鬼周りとか未だわからないことも多いですし、また首を長くして待つことになりそうです。一年くらいで続きが出たらいいなあ……。

 

 

シャングリラ・フロンティア (硬梨菜)

https://ncode.syosetu.com/n6169dz/

 

 私はなろう発のファンタジーというやつにてんで縁がないのですが、今回漫画版をきっかけに本作を読みました。こっちが漫画版。

 

 サブタイの通り、クソゲー好きの主人公が異常に完成度の高い神ゲー「シャングリラ・フロンティア」に挑戦するお話です。転生とかゲームに閉じ込められるとかじゃなく普通にゲームで遊ぶ話なところに結構驚いたんですが、別に珍しくないんですかね? なんかWEB小説ではゲーム=突然閉じ込められるみたいな等式が頭の中にある。

 ただ、私はこういう風にゲームをゲームとして楽しむ作品の方が好きかもしれません。主人公の行動原理が「世界を救う」とか「生き残る」とかではなく「思い切りゲームを楽しむ」なのがとても好みなんですよね。楽しそうな人は見てて楽しい。最近Vtuberのゲーム動画を作業のお共に垂れ流すことが多いんですが、それに通ずるものがあります。モンスターを狩ったり、友人を煽りまくったり。いいなあ。全然関係ないけどSwitch欲しくなってきた。

 あと印象的なのは圧倒的な読みやすさですね。700話超えてることにビビり散らしていましたが、驚くほど早く読めてるので案外早く追いつけそうです。ちょっとした空き時間にするする読めるというのは大きいなと改めて感じました。

 

 

 

 はい、というわけで漫画と小説二作品ずつの紹介です。デスノート短編集とかいぶそう最終章とか、なんなら最近よく聞く音楽とかなぜか急に始めたMTGとかでもいいし、もう少し何か書くつもりでしたがこだわりすぎるとお蔵になりそうですし機を逃す前に出しちゃいたいのでこれくらいで。小説もっと読みたいなー。